「労働基準監督署の労務調査」対応に思うこと

労働基準監督署の労務調査が、この1か月で、4事業所に及んだ。
調査にあったっては、事前に案内が事業所に郵送されてくる。すると、事業所からは、悲壮感漂う声で、「何とかしてください。」といつものおきまりの文句で、対応を懇願してくる。調査があっても、日頃より、きちんと帳簿を整理し、労務管理をしていれば、なにもあわてることはないのだが、そんなことが、普通にできていれば、顧問契約もしていないだろう。泣きついてくるところをみると、自社の管理が法に則していないことだけは、認識していると思われる。早速、訪問し必要帳簿を確認する。一通り目を通して、日頃の指導が十分でなかった現実を突きつけられ愕然とする。
 こちらも、事業所のために調査当日までにできる対応は、すべてする。労使協定の提出、就業規則の変更、健康診断の実施、労働者名簿等の整備など、一つでも指摘事項をなくそうと尽力を惜しまない。
 無事、なんとか調査を乗り切る。なんとか最低限の責任は、果たせたと安堵する。是正勧告を受けずに乗り切ることは、さずがにできないが、これをきっかけに労務管理の大切さを認識してもらい、改善に向かうことを望む。
 しかし、数か月後、帳簿等を確認すると何も改善されていない実態がある。喉元すぎればなんとかということなのだろう。私も、人間なので裏切られたという感情をどうしても抱いてしまう。あの「何とかしてください」は、自社の労務管理のことではなく、労務調査の対応のことだとはわかっていても、期待した自分がむなしくなる。
 その場限りの対応は、問題解決をなにもせず、余計な業務が増えるだけで、いいことはなにひとつない。結論は、指導の本気度が足らなかったことだ。さて、どうするべきか。

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